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遺産分割の話がまとまらないときは?遺産分割調停を利用すると・・・

遺産分割の話がまとまらないときは?

 

最初にはっきり言ってしまうと、
相続人全員が100%満足できる遺産分割など不可能です。

 

遺産分割なんて、それぞれがいくらか妥協しなければ話は前に進まないんです。

 

 

ですが、兄弟の仲が悪くて話もできないとか、自分勝手な主張ばかりする人がいる、
それぞれが一歩も譲らないなど、どうしても話がまとまらないケースもあります。

 

 

弁護士など第三者である専門家に間に入ってもらうことで、話し合いが進むこともありますが、
それでもどうしても話がまとまらないときはどうなるのでしょうか?

 

 

 

家庭裁判所を利用する。ただし長期戦を覚悟して

 

 

そういう場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。

 

 

遺産分割調停の申立ては相続人の1人で行う事ができるので、
話ができないほど仲が悪い兄弟がいても一応大丈夫です。

 

 

家庭裁判所でおこないますが、調停は裁判ではありません。
専門家に間に入ってもらっておこなう当事者間の話し合いです。

 

ただ、まったく出席しない人がいた場合や話し合いが決裂した場合は「遺産分割の審判」に進み、
審判では判決のようなものが言い渡されるので一応の決着をつけることができます。

 

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調停や審判は1〜2ヵ月で終わるようなものではなく、
長期間かかることを覚悟しておかなければなりません。

 

1年以上かかることも珍しくないんですよ。

 

 

 

 

税務署は待ってくれない!相続税がかかる場合は要注意

 

 

1年以上かかるということは、相続税の納付期限に間に合わないということです。

 

相続税の納付期限は亡くなった日の翌日から10ヵ月です。

 

相続税がかからない程度の遺産なら問題ないのですが、
不動産を含めて数千万以上の遺産がある場合は相続税がかかる可能性があるので要注意です。

 

 

>>自分の場合相続税はかかる?相続税の計算方法はこちら

 

 

 

相続税の納付期限が10ヵ月なのに調停や審判に1年以上かかるということは、
分割方法も決まってないのに、先に相続税を納めなければならないということです。

 

もめていて分割できないという事情があっても税務署は待ってくれません。

 

 

納付が間に合わなかった場合は、納付期限を遅れた分だけ14.6%(2ヵ月以内なら7.3%)の延滞税がかかりますし、
申告さえしなかった場合は無申告加算税というのが5〜10%かかります。

 

 

これは非常にもったいないですよね。

 

 

そこで、こうした事態を防ぐために、先に仮の申告・仮の納税をしておくという方法があります。
とりあえず法定相続分で申告・納税して、きちんと分割ができてから申告のやり直しができるというものです。

 

ただし、仮の申告・納税にはデメリットもあります。

 

 

 

 

デメリットは「減税の特例が受けられないこと」

 

 

仮の申告・納税をする際は、配偶者控除や小規模宅地等の特例など、相続税が減税される制度が使えません。

 

そのため仮の納税額が高額になるんです。

 

 

もちろん分割協議がまとまった後で申告のやり直しをする際には上記の減税制度が適用されるので、払いすぎた分は返してもらえます。
でも、仮の相続税が数十万・数百万という金額になった場合、一時的にでも負担するのは大変です。

 

しかも、まだ遺産を分割できていないので、相続した預貯金から納めるとか、相続した不動産を売ったお金で納めるということができません。

 

経済的に余裕のある家庭ならいいのですが、そうでない場合は非常に厳しいですよね。

 

 

 

 

相続税は分割払いにできる?

 

 

高額な相続税をまとめて納付することができない場合は「延納」といって分割で納める方法もあります。

 

最長で20年の分割にできます。

 

 

ただし、年3.6%〜6.0%の利子を取られますし、担保も必要です。

 

自分の持ち家を担保にできれば問題ありません。

 

でも、持ち家がない場合は?
相続予定の不動産を担保に入れることはできるのでしょうか?

 

 

 

これについては、相続人全員の同意があれば可能です。

 

ですが、実際のところ遺産分割でもめている最中に全員の同意を得るのは難しい気がします。

 

 

 

相続税を支払うために、銀行など金融機関から借り入れるという方法もあります。

 

昨今の低金利なら、金融機関から借りたほうが安いかもしれません。

 

 

 

 

後から減税の特例を受けるための手続きを忘れずに

 

 

なお、仮の申告をした場合、きちんと分割して申告のやり直しをするまで待ってもらえるのは基本的に3年です。

 

 

「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を税務署に出しておかなければなりません。

 

これを提出することで、分割が終わった後で特例を適用して申告のやり直しをすることが認められるようになるんです。

 

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調停や審判が長引いて、3年以上かかる場合はさらに
「遺産が未分割であることについてやむをえない事由がある旨の承認申請書」
という書類を提出しなければなりません。

 

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不動産がいくらくらいの価値があるのか共通認識をもっておく

 

 

このように、遺産分割でもめてしまうと、かなりしんどいことになりますよね。

 

もめてしまう原因として大きなものが不動産です。

 

お金とちがってきれいに分けることができませんから。

 

 

1つの土地をちょうど半分に区切って2人で相続したとしても、
日当たりのいい部分が多い、道路に面した部分が多いなどで、不公平感が残ります。

 

それに小さい土地になってしまったことで、元の土地の半分以下の価値になることもあります。

 

 

 

分けられないからといって、1つの不動産を共有名義にするのはもっとダメ。

 

相続財産が実家の土地建物しかないという場合に、とりあえず兄弟3人の共有名義にして相続するなんていうことは意外とやってしまいがちなのですが、これは最悪の方法です。

 

この先、売ることも貸すことも住むことも難しくなるだけです。

 

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争いを避けるためには、その不動産にどれくらいの価値があるのか、
相続人みんなが知っておくことが大切なんです。

 

 

すごい価値があると思っていたのに、意外と価値がないと知ってすんなり話し合いがまとまったなんていうこともめずらしくありません。

 

 

逆に、ある程度価値があった場合でも、それがいくらくらいというのが共通の認識としてあれば、1人が不動産を相続する代わりに、もう1人にその価値の半額分のお金を支払うなど、納得の行くように分けることも可能になります。

 

たとえば、長男が2000万円の価値がある不動産を相続するかわりに、
長男から次男に1000万円を支払うといった具合です。

 

これを「代償分割」といいます。

 

 

遺産分割協議書に「代償分割」をおこなう旨を記載しておけば、贈与とみなされることもありません。

 

 

>>相続する不動産にどれくらいの価値があるのか簡単に知る方法はこちら